
こんな疑問を解決します。

- ロールオーバーのメリット、デメリット、注意点
- 新NISA制度のロールオーバー
- 新NISA制度の概要
本記事では「ロールオーバーの内容や新NISA制度へのロールオーバー」について解説。
この記事を読むことで、一般NISAの特徴であるロールオーバーを知り、新NISA制度への対応も知ることで有利に資産形成を進めることができます。
結論からいうと
- ロールオーバー(移管)は5年NISA口座で持ったものをさらに5年保有できる制度
- ロールオーバーの手続きを忘れたら自動で課税口座に全額移されるから注意
- 値下がりをしている株のロールオーバーはおすすめしない
- さらに値上がりを期待できる時にロールオーバーはおすすめ
- 新NISA制度へのロールオーバーも可能だが、少々面倒な仕組みになる
一般NISAロールオーバーとは


それでは、一般NISAロールオーバーとはなんでしょうか?
『新たな一般NISA口座に移管(ロールオーバー)』することで、引き続き5年間非課税で保有できる制度となっています。
つまり一般NISAは購入された株式・投資信託は譲渡益、配当金・分配金等がさらに5年間非課税となります。

もし、NISAについて詳しくわかっていない方がいればこちらの記事をご覧ください。


譲渡益や配当金、分配金などの基礎的用語が曖昧な方はこちらの記事を参考にどうぞ!
ロールオーバーのデメリット


デメリットを3つ挙げます。
- 損失を被っている際の非課税の恩恵を受けれなくなる
- 2019年からNISAを利用する場合は従来のロールオーバーは新NISAへ
- 手続きを忘れると課税口座へ自動的に移される
の三つです。一つづつ説明していきます。
損失を被っている際の非課税の恩恵を受けれなくなる
例えば、あなたが特定or一般口座(税金がかかる口座)で10万円の利益をあげたとしましょう。
その時に10万円の損失をNISA口座で被ったとします。



2019年からNISAを利用する場合はロールオーバーは新NISAへ

図にしたらこのようになります。

詳しくは後半で解説します。
手続きを忘れると自動的に課税口座へ


ロールオーバーのメリット
続いてはロールオーバーのメリットを解説します。
- 投資で得た利益をさらに投資に回せる
- 10年非課税で投資できる
です。一つづつ解説します。
投資で得た利益をさらに投資に回せる

例えば2018年に120万円満額で投資していた商品があるとします。
5年後に150万円になりました。
それはNISA枠を超えていますが、150万円丸々ロールオーバーする事ができます!
10年非課税で投資できる
先ほどの説明の通り、丸々NISA口座で得た利益を持ち越す事ができます。
そのため、2018年の120万円は10年後の2017年まで非課税で運用できます。

ロールオーバーを行う時の注意点
続いてロールオーバーに対してよく起きがちな勘違いや注意点を解説します。

- ロールオーバーする分だけ翌年の投資枠を消費する
- ロールオーバーの手続きの期限は金融機関で異なる
- NISAの金融機関を変更するとロールオーバーは受けられない
です。一つづつ解説します。
ロールオーバーする分だけ翌年の投資枠を消費する

10年運用ですが、あくまで現在の投資枠を使ったロールオーバーだということを忘れないように。

2022年にNISA口座で70万円の資産をロールオーバーする場合は2023年は残り50万円で追加で投資できます。



三つの解釈があって真ん中がロールオーバーの認識として正解です。

ロールオーバーの手続きの期限は金融機関で異なる
ロールオーバーをする際は非課税口座内上場株式等移管依頼書(ロールオーバー依頼書)が必要になります。

楽天証券 、SBI証券 、マネックス証券 のロールオーバーの手続きのリンクを貼っておきます。
それぞれやり方が違うので見ておいた方がいいかもしれませんね。
NISAの金融機関を変更するとロールオーバーは受けられない


ソニー銀行 でも質問に挙がっていたので、みていただけたらと思います。
その為NISA口座で資産運用を行う場合には、口座を吟味して投資を行う必要があります。
2024年から始まる新NISA制度
従来の制度と今回の新NISA制度を図でまとめます。

ここで従来のNISA制度と変わる点をピックアップしたいと思います。
- 新NISA制度は二階建ての制度
- 2階のレバレッジ商品は削除
- 1階部分を埋めてから投資を行う必要あり(※例外もあり)
- 新NISAの1階部分は5年の投資が終了後に積立NISAに全額移行可能
です。一つづつ解説します。
新NISA制度は二階建ての制度
項目 | 従来の一般NISA | 2024から始まる新NISA制度 |
---|---|---|
対象銘柄 | 上場株式、 投資信託等 |
上場株式、 投資信託等 (※レバレッジ商品対象外) |
非課税期間 | 5年間 | 5年間 |
非課税投資枠 | 120万円 | 1階部分20万円 2階部分102万円 |
新NISA制度は1階部分が102万円で2階部分が20万円となっています。

いいとこ取りをしたようにも見えますね。
2階のレバレッジ商品は削除
2階部分のレバレッジ消費は削除されます。



レバレッジとは「てこ」という意味なので、100円しか持ってなくても2000円分の効果を得る事ができたりするわけです。

ここでは詳しく話さないですが、
- 値動きが大きい
- 値動きに慣れていない初心者は手を出すべきではない
そのため、資産形成を行う際にはレバレッジ投資はお勧めしません。
1階部分の投資を始めてから投資を行う必要あり(例外あり)
新NISA制度は二階構造になっています。
そして原則1階部分から投資を行わなければいけません。


例外として、
- 現行のNISA制度を利用していた人
- 上場株式の取引を行った経験がある人
は1階部分を使わずとも2階部分に投資する事が可能となっています。
さらに一階部分も満額納める必要はなく、月に数千円の積立でも良いです。
なので、基本は自由に使える制度だと思っていいです。
新NISAの1階部分は5年の投資が終了後に積立NISAに全額移行可能
1階部分の毎年20万円の投資に関しては5年間の投資が終了後に移行する事が可能です。


なので、最長25年間の積立NISAを利用する事が可能です!
詳しくは金融庁の説明にも載っていますのでみていただけたらと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか?
まとめますと、
- 損失を被っている際の非課税の恩恵を受けれなくなる
- 2019年からNISAを利用する場合は従来のロールオーバー使用不可
- 手続きを忘れると課税口座へ自動的に移される
でした。
- 投資で得た利益をさらに投資に回せる
- 10年非課税で投資できる
でした。
また注意点ですが、
- ロールオーバーする分だけ翌年の投資枠を消費する
- ロールオーバーの手続きの期限は金融機関で異なる
- NISAの金融機関を変更するとロールオーバーは受けられない
でした。
さらに2024年から始まる新NISA制度についてですが
- 新NISA制度は二階建ての制度
- 2階のレバレッジ商品は削除
- 1階部分を埋めてから投資を行う必要あり。ただし満額納めなくてもいい
- 投資経験者、従来のNISA利用者は1階部分の投資を無視する事が可能
- 新NISAの1階部分は5年の投資が終了後に積立NISAに全額移行可能
このような制度と吟味しながら、積立NISAにするのか一般NISAにするのか決めていきましょうね。
積立NISAと一般NISAについても説明しているのでそちらもよろしければどうぞ。